再勧誘の禁止
さいかんゆうのきんし
再勧誘の禁止とは
再勧誘の禁止とは、電話勧誘販売において、相手が契約を締結しない意思を示した場合に、その契約について勧誘を続けたり、改めて勧誘したりしてはならないという定めだ(特定商取引法17条)。「いりません」「結構です」と断られた相手に、同じ商品・サービスで再度電話をかける行為が典型にあたる。氏名等の明示(16条)、書面交付(18条・19条)と並ぶ、電話勧誘販売の基本ルールの一つである。
どこまでが対象か
法律上の「電話勧誘販売」は、事業者が電話で勧誘し、その電話中またはその後に申込み・契約が成立する取引を指す。規制は原則としてBtoC取引が対象で、法人向けの提案は基本的に直接の対象にならないが、個人事業主への事業と無関係な勧誘、従業員個人への勧誘、零細事業者への勧誘は消費者として扱われることがある。適用の有無にかかわらず、断られた相手にしつこくかけることがクレームと信用失墜に直結する点は同じだ。
| シチュエーション | 扱い |
|---|---|
| 断られた直後にもう一度勧誘する | 該当する |
| 断られた翌日に同じ内容で再架電する | 該当する |
| 断られた後、別の商品・サービスで架電する | 別の勧誘にあたる |
| 「今は忙しい」と言われて後日かけ直す | 明確な拒否ではない |
| 担当者が変わったので改めて架電する | グレー(会社として断られた場合は避ける) |
現場で一番問題になるのは、「結構です」と言われた相手に日を改めてかけ直すケースだ。「担当者が違うかもしれない」と期待したくなるが、明確に断られた相手への同じ内容の再勧誘は違反にあたる。
違反した場合
再勧誘の禁止違反は、行政処分として業務停止命令(最長2年)、刑事罰として3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象になる。実際に、一度断った消費者へ繰り返し電話をかけた事業者が業務停止命令を受けた例もある。
なぜ記録が要るのか
この規定を守る唯一の方法は、「誰に、いつ、何を断られたか」を残し、次の発信前に照合することだ。
- 「担当者NG」と「受付NG」を区別して記録する:受付で止まっただけなら断りではない。担当者本人からの明確な拒否だけを再勧誘の対象として扱う
- チームで共有する:記録が個人のメモにしかなければ、別のメンバーが同じ番号にかける
- 架電禁止リストに集約する:安全策として、断られた相手は最低6ヶ月は間を空けるか、リストから外す
再コールや追客は「明確な拒否ではなかった相手」に対して行うもので、断られた相手を追う行為とは別物だ。切り返しも、断りの言葉が出た「その通話の中」で会話を続ける技術であって、電話を切られた後に何度もかけ直すことを指さない。特商法の全体はテレアポと特商法の落とし穴、2026年時点の法規制はテレアポの法規制まとめ、記録の運用はリスト管理の鉄則を参照。
関連用語
- 架電禁止リスト(DNC) かでんきんしりすと
- 追客 ついきゃく
- 再架電(再コール) さいかでん
- アウト返し(切り返し) あうとがえし