2026年テレアポの法規制まとめ|知らないとヤバい
「法律のことはよく分からないけど、普通にやってれば大丈夫でしょ」
テレアポの現場で、こう思っている人は少なくない。でも実際には、知らないうちに法律違反をしていて、ある日突然行政指導が入る――というケースが毎年起きている。2025年度だけでも、特定商取引法違反で業務停止命令を受けた企業は12社あった。
今回は、2026年時点でテレアポに関わる法規制を整理していく。細かい条文の話ではなく、「現場で何に気をつければいいか」を中心にまとめた。
特定商取引法:テレアポの基本ルール
テレアポに最も直接的に関わるのが特定商取引法(特商法)だ。「電話勧誘販売」に該当する営業電話は、この法律の規制を受ける。
守らないといけない3つのルール
1. 会社名と目的を名乗る(第16条)
電話の冒頭で、以下を伝える義務がある。
- 会社名(または個人名)
- 電話の目的(商品・サービスの販売であること)
- 販売しようとしている商品・サービスの種類
テレアポあるある:「アンケートのお電話です」と偽って架電し、途中から営業トークに切り替える。これは明確に違法。「調査」「確認」「ご案内」といった曖昧な表現で目的を隠すのもアウトだ。
2. 再勧誘の禁止(第17条)
相手が「結構です」「必要ありません」と断った場合、同じ商品・サービスについて再度勧誘してはいけない。これが意外と厳しい。
「今月は予算がないので」と言われて、翌月にまたかける。これがグレーゾーンだ。「断られた=拒否」と解釈されるリスクがある。安全策は、断られた相手は最低6ヶ月は間を空ける、もしくはリストから外すことだ。
3. 契約書面の交付(第18条・第19条)
電話で契約が成立した場合、速やかに書面を交付する義務がある。2023年の法改正で電子交付(メール等)も認められるようになったが、相手の承諾が必要だ。
違反した場合の罰則
- 業務停止命令: 最大2年間の業務停止
- 業務禁止命令: 代表者個人に対する命令
- 罰金: 法人は最大3億円、個人は最大300万円
- 懲役: 最大3年
「知らなかった」は通用しない。特に再勧誘の禁止は、現場のアポインター全員が理解していないと危ない。
詳しくはテレアポと特定商取引法でも解説している。
個人情報保護法:リスト管理の落とし穴
テレアポで使う架電リストには、企業名、担当者名、電話番号が含まれている。これらが「個人情報」に該当する場合、個人情報保護法の規制を受ける。
法人情報と個人情報の境界線
- 「株式会社〇〇の代表電話番号」→ 法人情報(個人情報ではない)
- 「株式会社〇〇 営業部 山田太郎 090-XXXX-XXXX」→ 個人情報
つまり、担当者名や携帯番号がセットになっているリストは、個人情報として適切に管理する必要がある。
2025年改正のポイント
2025年の個人情報保護法改正で、以下の点が強化された。
- 漏洩時の報告義務の厳格化: 1,000件以上の漏洩は個人情報保護委員会への速報(3〜5日以内)と確報(30日以内)が必要
- 課徴金制度の導入: 法人に対して売上の最大4%の課徴金が課される可能性
- オプトアウトの規制強化: 第三者から購入したリストの利用条件が厳しくなった
テレアポあるある:名刺交換した相手の情報をExcelにまとめて、チーム全員で共有。悪意はないが、利用目的の通知なしに個人情報を社内共有しているとアウトになる可能性がある。
現場で気をつけること
- リストの入手元を記録する: どこから取得したリストか、いつ取得したかを必ず記録
- 不要なデータは削除する: 使い終わったリストを放置しない
- アクセス権を制限する: リストにアクセスできる人を最小限に
- パスワードなしのExcelで管理しない: USBに入れて持ち歩くのは論外
詳しくはテレアポと個人情報保護法も参照してほしい。
改正電気通信事業法:2023年施行の影響
2023年6月に施行された改正電気通信事業法の「外部送信規律(いわゆるCookie規制)」は、直接テレアポに影響するわけではないが、インサイドセールス全体に関わる話だ。
自社サイトにアクセスした企業を特定して架電する「インテントセールス」の手法を使っている場合、外部送信規律への対応が必要になる。具体的には、Webサイト上でCookieの利用目的を通知・公表する義務がある。
2026年に注目すべき動き
AIコール規制の議論
AIによる自動架電(ロボコール)の規制が国会で議論されている。アメリカではFCC(連邦通信委員会)が2024年にAI生成音声による勧誘電話を違法と判断した。日本でも同様の規制が入る可能性があり、AI音声でのテレアポを検討している企業は動向を注視する必要がある。
Do Not Call(電話拒否)制度
諸外国で導入されている「架電拒否リスト」制度が、日本でも検討されている。消費者が登録すると、営業電話の架電対象から除外される仕組みだ。まだ法制化には至っていないが、BtoB営業にも影響する可能性がある。
テレアポチームが今すぐやるべき3つのこと
1. コンプライアンス研修を実施する
最低でも年1回、できれば四半期に1回。新人には入社時に必ず実施。「断られたら再勧誘禁止」「会社名と目的を最初に名乗る」の2点だけでも徹底すれば、リスクは大幅に下がる。
2. 架電リストの管理ルールを決める
- 断られた相手のフラグ管理(再架電禁止マーク)
- リストの保存場所と廃棄ルール
- 個人情報の取り扱いポリシー
3. 架電履歴を残す
「言った・言わない」のトラブルを防ぐために、いつ・誰に・何を話したかの記録を残す。通話録音があれば尚良い。
まとめ
テレアポの法規制は年々厳しくなっている。特定商取引法の再勧誘禁止、個人情報保護法のリスト管理、これらは「知らなかった」では済まされない。罰則も業務停止命令や数億円の課徴金と、中小企業にとっては致命的なレベルだ。
でも、やるべきことはシンプルだ。会社名と目的を名乗る、断られたら引く、リストを適切に管理する、記録を残す。この基本を押さえておけば、安心してテレアポを続けられる。
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