外国人整備士の特定技能採用テレアポ——自動車修理工場への提案トーク術

整備士不足は「待っていても解決しない」問題

自動車整備士の不足は、もはや業界全体の構造問題だ。整備士育成学校への入学者数は定員の7割を切り、若手の新卒採用は年々厳しくなっている。大手ディーラーですら採用に苦戦している状況で、中小の整備工場はさらに深刻だ。

そこで注目されているのが、特定技能ビザを取得した外国人整備士の採用だ。事業所調査によると外国籍労働者を受け入れている整備事業所は8.6%で、前年の6.6%から2.0%増加。大手ディーラーグループでもすでに導入が進んでいる。

このニーズをテレアポで掘り起こす方法を見ていこう。

ターゲットと受付突破

アプローチ先

自動車修理工場、民間車検場、カーディーラーの整備部門。中小規模の工場では社長が直接出ることも多い。

受付トーク

「こちら某自動車学校グループのA社です。整備士の正社員採用の件でご連絡しました。採用のご担当者様いらっしゃいますでしょうか」

ポイントは**「整備士の正社員採用」**というキーワードだ。「外国人材」や「紹介」と最初から言わない。整備工場にとって整備士の採用は常に頭の痛い問題なので、この一言で繋いでもらえる確率が高い。

受付に用件を聞かれたら、

「整備士の正社員採用の件です。採用のご担当者様がいらっしゃるかと思いまして」

これ以上は説明しない。受付段階で詳しく説明すると、「うちは外国人は採ってません」で切られてしまう。

担当者への本題トーク

担当者(多くの場合は工場長か社長)に繋がったら、以下の流れでトークを展開する。

ステップ1: 自社の信頼性を伝える(20秒)

「某県内で自動車学校や民間車検場を長年運営しているグループ会社です。実はあまり知られていないのですが、その事業の一つとして、海外の工科大学と提携した整備士育成学校も運営しておりまして」

いきなり「外国人材を紹介します」と言うのではなく、自社の事業基盤を先に伝えるのがコツだ。「自動車学校を運営している」「工科大学と提携している」という情報は、整備工場にとって「ちゃんとした会社だ」という安心材料になる。

ステップ2: ヒアリングで現状を確認(15秒)

「ちなみに今、御社では整備士の採用は専門学校の新卒がメインでしょうか」

ここで重要なのは、先に相手の状況を聞くことだ。「新卒がメイン」「そもそも採用できていない」「技能実習生を入れている」など、回答によって次のトークを変える。

ステップ3: 商品の特徴を伝える(30秒)

「今回は、育成学校で修行した人材をご紹介する形になりまして、特定技能ビザですので永住権に近い長期雇用が可能です。大手ディーラーグループでもすでに導入が進んでいるものですから、情報提供としてまずはオンラインで30分ほどお時間いただけませんか」

ここで3つのキーポイントを押さえる。

  1. 「特定技能ビザ」という正式名称を出す — 技能実習生と混同されやすいので、明確に区別する
  2. 「永住権に近い長期雇用」を強調 — 整備工場が外国人採用で一番不安に思うのは「すぐに帰国してしまうのでは」という点。ここを先に潰す
  3. 「大手ディーラーでも導入済み」で安心感を出す — 「うちみたいな小さい工場で大丈夫か」という不安に対して、「大手もやっている」は効果的

よくある質問と切り返し

「外国人は日本語が通じないんじゃないの?」

「日本語能力検定N4以上を取得している方のみご紹介しています。日常会話レベルは問題ありませんし、自動車の専門用語も育成学校で教えています」

「技能実習生とどう違うの?」

「技能実習は最長5年で帰国ですが、特定技能2号は更新すれば期間の定めなく雇用を継続できます。事実上の永住に近い形です」

「うちは小さい工場だから外国人は無理だよ」

「実は中小の工場様のほうが導入が進んでいます。大手と違って一人ひとりに目が届くので、むしろ定着率が高いんです。まずは1名からのスタートで成功している事業所もありますよ」

「採用コストはどのくらいかかるの?」

「詳細はオンラインでご説明しますが、紹介会社経由の日本人整備士の採用と比較しても同程度かそれ以下です。育成から紹介、入国後のフォローまで一括で対応しています」

事前にビデオレターで絞り込める強み

外国人材の採用で工場側が最も不安に思うのは、「会ったこともない人を採用して大丈夫か」という点だ。

この不安を解消する仕組みとして、事前にビデオレターで候補者を絞り込めるサービスがある。履歴書だけでは分からない人柄や日本語力を映像で確認できるため、採用のミスマッチを防げる。

テレアポの段階でこの仕組みを軽く触れておくと、「ちょっと話を聞いてみるか」というハードルがさらに下がる。

「採用前にビデオレターで候補者の雰囲気や日本語力を確認していただけるので、合わないと思えばその段階でお断りいただけます」

日程設定のコツ

整備工場の担当者は午前中が忙しいことが多い。車検の受付や入庫作業がピークを迎える時間帯は避けよう。

狙い目の時間帯:

  • 10:00〜11:30(午前の落ち着いた時間)
  • 13:00〜16:00(午後の作業が一段落するタイミング)
  • 17:00〜18:00(閉店前の事務作業タイム)

日程の打診は、

「今今すぐに何かをしてほしいわけではないので、まずは30分ほどオンラインで。〇日か〇日ではご都合いかがでしょうか」

必ず2択で具体的な日付を提示する。整備工場の社長は多忙なので、「いつでもいいです」と言われても決まらない。

高度人材プランの訴求

さらに踏み込んだ提案として、高度人材プランがある。内定者を日本の専門学校に通わせて国内の2級整備士資格を取得させ、永続勤務が可能な人材として紹介するプランだ。

この場合、勤務開始まで約2年かかるが、「ほぼ永住希望の方のみ」をスクリーニングしているため、定着率が極めて高い。日本の自動車免許を取得している候補者もいる。

テレアポの段階では深く説明する必要はないが、「短期で来て帰る人材ではなく、長期で一緒に働ける人材です」というニュアンスを伝えておくと効果的だ。

まとめ

外国人整備士の特定技能採用テレアポは、「整備士の正社員採用」で受付を突破し、担当者には自社の育成基盤→ヒアリング→特定技能の特徴という3ステップで展開する。「永住権に近い長期雇用」「ビデオレターで事前確認可能」「大手ディーラーも導入済み」の3点が最大の訴求ポイントだ。整備士不足に悩む工場にとって、外国人材は選択肢の一つとして確実にニーズがある。


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