高圧電力コスト削減のテレアポ|無料診断で攻める実践トーク

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高圧電力の料金削減を提案するテレアポは、正直なところレッドオーシャンだ。新電力の切り替え営業が大量に電話をかけまくった結果、「また電力の営業か」と受付で切られるのが日常になっている。加えて「新電力は怖い」という担当者の懸念、「誰が担当者か分からない」という情報不足——独特の難しさが重なる領域だ。

ところが、**「新電力に切り替えてください」ではなく「無料で料金診断するだけです」**と入口を変えるだけで、全く違う反応が返ってくる。この記事では、実際の現場トークをもとに、受付突破から成果報酬クロージングまでの組み立てを解説する。

アプローチ先の特定:高圧電力の担当は誰か

まず高圧電力の契約管理をしている担当者にたどり着かないと話にならない。業種によって担当部署が異なる:

業種担当部署
工場・倉庫施設管理・総務
学校法人・幼稚園事務長
病院事務長・施設部
パチンコ・スーパー施設管理・営業推進

架電する前にリスト作成の段階で、業種ごとのアプローチ先を整理しておくことが重要だ。同じ「高圧電力の担当」でも、業種によって担当部署もキーマンの肩書きも変わる。なお、病院・ゴルフ場・パチンコ店など電力消費が特に大きい施設への特化トークは病院・施設への高圧電力テレアポで別途まとめている。

受付突破の2パターン

パターン1:「ご利用の高圧電力の件」——既存契約連絡風

受付トーク例(製造・倉庫向け):

「現在◯◯様の工場でご利用の高圧電力の件でご連絡だったのですが、高圧電力についてお分かりになる施設管理のご責任者の方はいらっしゃいますでしょうか」

「その工場でご利用の高圧電力の件」という言い方は、「既存の契約に関する連絡」として受付に判断させやすい。訪問案内や確認事項のように聞こえるため、「業者からの提案」ではなく「何か手続きの件」として通りやすくなる。

パターン2:「大手電力会社から正式に依頼を受けて」——委託の権威づけ

「某大手電力会社さんから正式に依頼を受けまして、御社でご利用の高圧電力の適正料金を無料診断している会社です」

この一文には、3つの武器が入っている。

  1. 「某大手電力会社から正式に依頼」:怪しい新電力の営業ではないと示す
  2. 「適正料金を無料診断」:売り込みではなく診断だと伝える
  3. 「会社です」:個人の営業ではなく法人としての活動だと明示

新電力の営業電話に辟易している受付にとって、「大手電力から委託」と言われれば「新電力の勧誘とは違うんだな」と判断してもらえる。

担当者トーク:最初に「切り替え営業ではない」と宣言する

担当者に繋がったらすぐに「新電力への切り替え営業ではない」と宣言するのが鉄則だ。

「新電力の会社に切り替えてください、という営業のお電話では一切ありませんのでご安心いただければと思います」

これを先に言わないと、担当者は「また新電力の営業か」と聞く気をなくしてしまう。

さらに、あえて「できないこと」を伝えるのも効く。

「今回データのお渡しだけなので、料金をすぐ下げますといったご提案はできないのですが」

普通は「すぐ下げます!」と言いたいところだが、あえて「それはできない」と言うことで、誠実さと信頼感を演出できる。

電気料金値上げをトリガーにする

高圧電力テレアポで最も使える切り口は、電気料金の値上げという外部環境だ。

「県内の電力会社の燃料調整費の高騰で、大体◯◯業の施設様ですと電気料金が1.3〜1.5倍になっているということが多かったのですが、◯◯様ではいかがでしたでしょうか?」

この質問を投げると、大きく2つの反応に分かれる:

  • 「そうなんですよ、上がっていて困っています」→ 課題確認済みで話が進む
  • 「まだ通知が来ていないです」→ 「値上げ通知が来るはずですので」と情報提供として続ける

どちらの返答でも次の話に繋げられる。「Yes/No」どちらでも展開できる質問設計が、テレアポトークの基本だ。

地域の具体的な数字を重ねると、さらに効く。

「各電力会社さんが高圧電力で12%から、高い地域で30%ほど値上げの通知を出しています」

「12〜30%」という数字のインパクトは大きい。年間の電力コストが仮に1000万円なら、30%値上げで300万円の増加。経営に直撃する金額だ。

「新電力が怖い」懸念への対応

担当者の多くが新電力に対して警戒心を持っている。背景には、新電力会社の撤退・倒産ニュースがある。

「最近ですと高圧電力の新電力会社さんが撤退したり、基本料金が4倍になってしまったり、大手電力2社が出資していた新電力の会社様が倒産してしまったりという状況もあったものですから、かなり逆風になっているとは思うんですね」

担当者の懸念を先回りして認めることで、「この人は分かっている」という信頼感が生まれる。すでに新電力へ切り替えている企業は「うちも大丈夫かな」と不安になり、まだの企業は「安易に切り替えなくてよかった」と思う。どちらにしても「一度ちゃんと診断してもらったほうがいいかも」という方向に動く。

「データをお渡しするだけ」のポジショニング

このテレアポの核は、**「データをお渡しするだけ」**という徹底したポジショニングだ。

「料金単価の分析データをお渡しするのが目的です。必要であれば御社の方でご検討いただければ」

「判断はあなたがしてください。私たちはデータを提供するだけです」というスタンス。セールスではなく情報提供という線引きが、担当者の心理的ハードルを大きく下げる。

そして、相手から「診断してどうなるの?」と聞かれたときに初めて、次の2つの選択肢を出す。

「もし現状より削減可能だった場合、御社で今の電力会社と交渉していただくことも可能ですし、私たちのサポートが必要であれば、削減できた場合のみ手数料をいただく完全成果報酬でお受けすることも可能です」

  1. データを使って自分で交渉する(費用ゼロ)
  2. サポートを依頼する(完全成果報酬)

「1」の選択肢を先に出すことで、「この会社は自分たちの利益だけじゃなく、相手の選択肢も尊重している」という印象を与える。実際にはプロに任せたほうが楽なので「2」を選ぶ企業が多いのだが、「1」が存在すること自体が安心材料になる。「削減できなければ費用ゼロ」という成果報酬型は、担当者が稟議を通す際の説得材料にもなる。

「もう診断してもらってる」への切り返し

電力系テレアポでよくある断り文句が「もう別のところに診断してもらった」だ。

「おそらく御社内での使い方の分析、デマンド監視的なお話かと思います。今回お渡しするのは外部の電力会社のビッグデータに基づく分析で、全国数十万社のデータから最安値を算出したものです」

相手がすでにやっている「社内の省エネ分析」と、自社が提供する「外部データに基づく料金分析」は全く違うものだと明確に線引きする。これにより、「もうやってる」が「それは知らなかった」に変わる。自社内の分析だけでは見えない、外部の相場観を提供できるという価値を端的に伝えられる。

さらに一歩踏み込むなら、こう続ける。

「全国の最安値でこの金額なので、ここまで下げることは可能ですよ、となった場合に限り、初めて下げられますというご連絡ができる」

「下げられる場合にだけご連絡する」という条件付きの約束は、押し売り感を消しつつ「連絡が来たら本当に下がる」という期待を作る、クロージング前の布石になる。

アポ設定:二択提示と訪問・オンラインの使い分け

日程設定は2択で提示するのが鉄則だ。

「来週の◯日か◯日はお時間ございますか?」

「いつがいいですか?」と聞くと、「スケジュール確認して折り返します」→そのまま消える、というパターンが多発する。2択なら「◯日のほうが空いてます」と即答してもらいやすい。

また、この業種はオンライン商談より現地訪問の方が相性が良いケースが多い。工場や学校の担当者は「画面を見てもらう」より「施設を見て専門家が診断してくれる」という形の方が信頼感を持ちやすい。

「お近くに寄った際にご挨拶にうかがいたかったのですが、◯日か◯日でご都合いかがでしょうか」

「近くに来た際に」という言い方は押しつけ感を下げる。電話口で「来週行きます」と言うより自然に受け入れてもらいやすい。

アポ確定後に確認すべきことも押さえておく。

  • 電話に出られない時間帯
  • 大体の月間電気料金(規模感の確認)
  • オンライン面談の場合の段取り

特に月間電気料金を聞くのは、削減余地の事前スクリーニングとして重要だ。月額70〜80万円以上使っている施設なら削減インパクトが大きいので、優先的にフォローできる。

太陽光パネルの提案を絡める場合

電力コスト削減と並行して太陽光パネルの設置提案を行う場合、経済産業省の支援制度を切り口にすることで「補助金の活用」という文脈で話を進められる。

「昨年から経済産業省さんの支援も入りまして、無料で設置できる場合も多かったので、どのくらいの削減ができるのかというシミュレーションを、一つの参考にしていただければと思うのですが」

補助金フックを軸にした太陽光提案の受付トークとアポ設定は、太陽光パネル提案に特化したテレアポ術で詳しく解説している。

まとめ

高圧電力コスト削減テレアポのポイントをまとめると:

  1. 受付突破は「ご利用の高圧電力の件」の既存契約連絡風か、「大手電力から正式に依頼」の委託権威づけ
  2. 担当者には「切り替え営業ではない」を最初に宣言し、値上げトリガー(1.3〜1.5倍・12〜30%)で課題を確認する
  3. 「データをお渡しするだけ」のポジショニングでセールス感を消し、完全成果報酬でクロージングのハードルを下げる

電気料金は継続的なコストなので、担当者の「関心はあるが動いていない」状態が続きやすい領域だ。「売る」のではなく「診断する」。この発想の転換が、電力テレアポの突破口になる。

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