新電力の業務提携テレアポ——「営業ではなく提携」で門戸を開く攻め方

新電力テレアポの「売り先」は一般企業ではない

新電力のテレアポと聞くと、企業に「電気代を安くしませんか」と電話するイメージがあるかもしれない。しかし実はもう一つ、まったく違うテレアポがある。電力を販売してくれるパートナー企業への提携提案だ。

ガス会社、不動産会社、リフォーム会社など、すでに法人・個人の顧客を持っている企業に「うちの電力も一緒に提案しませんか」と持ちかける。いわゆるBtoBtoC型の営業モデルだ。

このテレアポは通常の営業電話とは構造が違う。「買ってください」ではなく「一緒に売りましょう」——パートナーシップの提案だからこそ使えるテクニックがある。

受付突破:「業務提携の件で」

新電力のパートナー開拓テレアポでは、受付への第一声がすべてを決める。

「営業の話ではなくてですね、新電力の業務提携のお話だったのですが、電気の新規営業のご担当の方はいらっしゃいますでしょうか?」

受付は「営業電話」と「それ以外」で振り分ける。「業務提携」は「それ以外」に分類されることが多い。しかも「新規営業のご担当」と言うことで、相手企業の営業部門——つまり最も提携に前向きな部署につないでもらえる。

補足で「ガスや電気の新規営業を担当されている方いますか?」と具体的に聞くのも有効だ。部署名がわからなくても、業務内容で特定できる。

2つの時事フックを使い分ける

パートナー企業の担当者につながったら、時事ネタをフックにする。新電力の場合、有効なフックは大きく2つ。

フック1:燃料費調整費の高騰

「今、燃料調整費の高騰の関係で、既存の電力会社から提携企業への問い合わせが増えておりまして」

電気代が上がっている今、エンドユーザー(顧客)は安い電力を探している。「お客さんが安い電力を求めている→御社の営業の武器になる」というロジック。

フック2:競合の信頼問題

「某電力会社の問題以降、信頼できる供給先を探すという流れで弊社への問い合わせが増えております」

新電力業界では過去にいくつかの事業者が問題を起こしている。「あそこは不安だから別のところ」という需要がある。競合の問題を直接攻撃するのではなく、「その結果、うちへの問い合わせが増えている」とファクトベースで語るのがポイント。

どちらのフックを使うかは、架電先の業種と時期で判断する。

「やるやらないは置いといて」のマジックワード

パートナー提携のテレアポでは、決断のハードルを徹底的に下げるのが定石。

「やるやらないは置いといて、一度30分でご案内だけさせていただきたい」

「やるやらないは置いといて」——この一言が入るだけで、相手の心理的負担が激減する。「聞くだけなら」と思わせる魔法のフレーズだ。

しかもパートナー提携の場合、相手にとってのリスクは基本的にゼロ。自分の顧客に追加の選択肢を提供できるだけだから、「聞いて損はない」というロジックが成立しやすい。

日程設定のテクニック:「挨拶回り」を使う

アポ設定のフレーズで効果的なのが、「挨拶回り」を理由にするテクニック。

「来週・再来週あたり御社地域で挨拶回りをしているんですが、〇日か〇日ですとどちらが比較的お手すきでしょうか」

「わざわざ来る」のではなく「ついでに寄る」。これだけで訪問のハードルが下がる。

オンラインの場合は「30分程度のオンラインで」と最初に時間を区切る。新電力の提携提案は比較的シンプルなので、30分で十分伝わる。

パートナーテレアポ特有の注意点

新電力のパートナー開拓には、一般的な営業テレアポにはない注意点がある。

  1. 相手のメイン商材を否定しない — 「電気に切り替えましょう」ではなく「ガスに加えて電気も」
  2. エンドユーザーのメリットを語る — 相手企業にとって大事なのは自社の顧客の満足度
  3. 既存の提携先を聞く — 「今、〇〇電気さんをメインで扱っている形ですか?」で競合状況を把握
  4. 解約リスクを説明しない — 提携の話なので、相手が直接切り替えるわけではない

特に3番目は重要。相手がすでに他の新電力と提携している場合、その電力会社の弱点を攻めるのではなく、「選択肢が増えること自体が御社の営業力になる」と訴求する。

まとめ

新電力のパートナー提携テレアポは、「売る」ではなく「一緒に売る」提案。

  • 「業務提携」で受付を突破し、新規営業担当につなぐ
  • 燃料費高騰・競合の信頼問題の2つのフックを使い分ける
  • 「やるやらないは置いといて」で決断のハードルを下げる
  • 「挨拶回りのついで」で訪問ハードルを最小化する
  • 相手のメイン商材を否定せず、選択肢を増やす提案に徹する

パートナー開拓のテレアポは、アポ率が比較的高い。相手にとってリスクがほぼないからだ。その「リスクゼロ」を、電話の中でしっかり伝えられるかが勝負になる。

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