営業リストの費用|購入・自作のコスト比較

「営業リスト、どこかで買ったほうが早いんじゃないか」。テレアポチームを率いていれば、一度はこの誘惑に駆られる。手元のリストが尽きかけ、メンバーがネット検索とコピペで番号を集めている光景を見ると、なおさらだ。

一方で「リスト購入は高いから自分たちで作る」と決め、気づけば社員が半日かけて企業情報を手入力している現場も多い。どちらも一見もっともらしいが、実は「本当のコスト」を測れていないケースがほとんどだ。

購入と内製、コストの正体はまるで違う。今回は営業リストの費用構造を分解し、質と単価のバランスをどう取るかを現場目線で見ていこう。

営業リストの購入コストはどう決まるか

リスト購入の費用は、ざっくり「1件あたり単価 × 件数」で決まる。ただしこの単価が、提供形態によって大きく振れる。

買い切り型のリスト販売だと、1件あたり10〜30円程度が相場の目安。10,000件まとめて買えば10万〜30万円といったレンジになる。一方、業種・エリア・従業員規模で細かく絞り込めるデータベース型のサービスは、月額制で数万円から十数万円。検索して必要な分だけ抽出する使い方になる。

単価だけ見れば買い切りが安く見えるが、ここに落とし穴がある。買い切りリストは「いつ作られたか」が見えにくく、廃業した企業や移転した番号が混ざりやすい。鮮度の低いリストは、かけた瞬間に「現在使われておりません」が連発する。つまり単価が安くても、使えない番号の分だけ実質単価は跳ね上がる。

「買ったのに使えない」を防ぐ視点

リストを買うときに本当に見るべきは、額面の単価ではなく「有効率込みの単価」だ。

たとえば1件15円で10,000件、合計15万円のリストを買ったとする。電話してみたら、2割が不通・廃業・番号変更だった。すると有効な8,000件に15万円を払った計算になり、実質単価は約19円に上がる。さらにターゲット業種から外れた企業が含まれていれば、有効単価はもっと膨らむ。

提供元に「データの更新頻度」「収集元」「重複や廃業の除去をしているか」を確認するだけで、この目減りはかなり読める。安さに飛びつく前に、ここを詰めるのが先だ。

内製(自作)リストの本当のコスト

「自分たちで作れば無料」というのは、最も多い誤解だ。リスト作成に動いている人の時給が、そっくりコストになっている。

仮に時給1,500円のメンバーが、企業サイトを1社ずつ開いて社名・電話番号・住所・担当部署を転記するとしよう。慣れていても1件あたり2〜3分はかかる。1時間で20〜30件、つまり1件あたりの人件費は50〜75円。買い切りリストの単価より高くつくことすら珍しくない。

しかも内製の厄介なところは、このコストが「営業の稼働を削って」発生する点にある。本来なら架電やヒアリングに使えた時間が、リスト作りに溶ける。1日200件かけられるはずの人が、午前中をリスト整備に費やせば、その日の架電量は半分だ。失われた商談機会まで含めれば、内製の「見えないコスト」はさらに大きい。

内製が向いているケースもある

とはいえ内製が常に損というわけではない。次のような場合は、自作の価値が出る。

  • 超ニッチなターゲット:市販リストに含まれない特定の小さな業界や、特殊な条件で絞りたいとき
  • 既存接点からの掘り起こし:過去に名刺交換した相手や問い合わせ履歴など、自社にしかないデータを束ねるとき
  • 質を完全にコントロールしたいとき:1件ずつ目視で精査し、温度の高い見込み先だけを厳選するパターン

ポイントは「市販品で代替できないリストか」を問うこと。検索すれば買えるような汎用リストを手作業で作っているなら、それはコストの取りこぼしだ。リストの整備と運用の考え方はテレアポのリスト管理術でも整理しているので、あわせて押さえておきたい。

質と単価のバランスをどう取るか

購入か内製かは、二者択一ではない。多くのチームにとって現実的なのは「ベースは購入、上乗せは内製」のハイブリッドだ。

汎用的な母集団は鮮度の高いデータベース型サービスでまとめて確保し、そこに自社の接点情報や精査した優先リストを重ねる。こうすると、人件費を架電そのものに集中させながら、質も担保できる。

判断のものさしとして、次の3点を数字で押さえておくと迷いが減る。

  1. 有効率込みの実質単価:額面ではなく、使える1件にいくら払っているか
  2. リスト1件あたりの人件費:内製の作業時間 × 時給を必ず可視化する
  3. アポ獲得単価:リストコスト ÷ 獲得アポ数。最終的にはここで購入と内製を比べる

たとえば購入リストの実質単価が19円、内製の人件費が1件60円なら、同じアポ率なら購入が有利だ。逆に内製リストのアポ率が購入の3倍あるなら、単価が高くても獲得単価では内製が勝つこともある。

買ったリストも内製リストも「腐る」

見落としがちなのが、どちらのリストも時間とともに劣化する点だ。企業は移転し、担当者は異動し、番号は変わる。半年も寝かせたリストは、有効率が静かに落ちていく。

だからこそ、購入・内製にかかわらず、リストは一元管理して鮮度と消化状況を追える状態にしておきたい。同じ番号を二重で買ってしまう、誰かが既にかけた先にまたかける、といった無駄は重複の除去で防げる。このあたりはリストのデータクレンジングの考え方が役に立つ。リストを「買って終わり」「作って終わり」にしない仕組みが、結局いちばんのコスト削減になる。

まとめ

営業リストのコストは、額面の単価だけ見ていると必ず読み違える。購入なら有効率込みの実質単価、内製なら作業者の人件費と失われた架電時間まで含めて、はじめて本当のコストが見えてくる。

  • 購入リストは単価が安く見えても、鮮度と有効率で実質単価が変わる
  • 内製は「無料」ではなく、1件50〜75円の人件費と機会損失が乗る
  • 多くのチームは「購入ベース+内製で上乗せ」のハイブリッドが現実的
  • 最後はアポ獲得単価で比べる。単価ではなく成果あたりで判断する
  • 購入も内製もリストは劣化する。一元管理と重複除去で目減りを防ぐ

リストは安く集めることがゴールではない。少ない費用で多くのアポにつなげることがゴールだ。その視点で数字を並べ直せば、自分たちにとっての最適解は自然と見えてくる。

あわせて読みたい


テレアポの管理をもっとシンプルに。 KIZUNA SalesFlowは、テレアポ/インサイドセールスチームのためのシンプルなSFAツールです。 詳しくはこちら →

KIZUNA SalesFlow

読んで終わり、にしない。
架電を成果に変えるSFA。

ブラウザのソフトフォンでワンクリック発信・自動録音。初期費用0円・契約期間の縛りなし、月額¥1,480〜(税抜)。営業リストは上位プラン(プロ・MAX)でご利用いただけます。

Related

関連記事

SFA

データドリブンでテレアポを改善する方法

テレアポをデータドリブンで改善する具体的な方法。接続率・通話時間・時間帯別アポ率などの分析指標、ExcelとSFAの使い分け、データから読み取れるインサイト事例、数字に基づく改善サイクルの回し方を現場目線で紹介。