再架電のベストタイミング|何日後・何回かけ直す

「一回かけて出なかったから、もう次のリストへ」。テレアポの現場でいちばん多い、そしていちばんもったいない判断がこれだ。担当者に初回で繋がる確率は、BtoBだと15〜25%しかない。4件かけて3件は「まだ話してすらいない」状態のまま捨てられている計算になる。

問題は「かけ直すかどうか」ではなく、「いつ・何回かけ直すか」。ここを感覚でやっている限り、せっかくのリストは穴だらけのまま消耗していく。今回は、不在リードと検討中リードそれぞれに対する再架電のベストタイミングを、間隔・回数・撤退基準の3点で整理していく。

再架電は「何回まで」かけるべきか

まず回数の話から。担当者に到達するまでの累計接触率は、ざっくりこんな感じだ。

  • 1回目: 約20%
  • 2回目(累計): 約35%
  • 3回目(累計): 約50%
  • 5回目(累計): 約70%

3回かければ半分の企業と話せて、5回で7割に届く。逆に言えば、1回で諦めると残り80%の見込み客をまるごと手放していることになる。

ここで現場のあるあるが効いてくる。「2回目をかけるのはしつこい気がする」というメンタルブロックだ。だが実際には、不在で繋がっていない相手にとって、こちらの架電は「2回目」ですらない。先方は1回も認識していないのだから、しつこさを心配する段階にすら達していない。

目安としては、不在の相手なら5回前後までは普通にかけ直す価値がある。受付で明確に断られた、担当者本人にきっぱり拒否された——こうした「意思のあるNO」だけは回数に含めず、別ルートで扱う。要は「出なかっただけ」と「断られた」をはっきり分けることだ。

何日後にかけ直す? ステータス別の間隔設計

回数の次は間隔。ここがこの記事の本題だ。「不在」と「検討中」では最適な日数がまるで違う。

不在リードは「日をまたぐ前に時間帯を変える」

不在の相手に対して、いちばん効率が悪いのは「翌日また同じ時間にかける」ことだ。10時に不在だった人は、翌日の10時もだいたい不在である。在席パターンには個人差があるので、まず時間帯をずらす。

実務的な間隔の目安はこうなる。

  • 午前に不在 → 同日または翌日の午後(14:00〜16:00)
  • 午後に不在 → 翌日の午前(10:00〜11:30)
  • 終日不在 → 2〜3営業日空けて、別の曜日に

1〜3回目までを「3つの異なる曜日 × 時間帯」でカバーするのがコツだ。月曜午前、水曜午後、金曜午前——このように散らすと、相手のどこかの在席タイミングに当たりやすくなる。逆に毎回同じ枠で3回かけても、3回とも空振りになりがちで、回数だけ消費して接触率は上がらない。

検討中リードは「熱を冷まさない3〜5日」

一度担当者と話して「今すぐじゃないけど興味はある」となったリードは、不在リードとは扱いを完全に分ける。ここで多いミスが、「来月またかけます」と言って3週間も4週間も放置するパターンだ。

人の関心は驚くほど早く冷める。商談化の確率は、最初の接触から時間が経つほど階段状に落ちていく。だから検討中リードへの再架電は、3〜5営業日以内を基本線にしたい。「資料を見ておいてください」で終わったなら、相手が資料を読み終えるであろう2〜3日後にかけ直す。これくらいの間隔なら、前回の会話の文脈がまだ生きている。

ただし「決算後に」「来期の予算が出てから」など、相手から明確な時期を提示された場合は別だ。その日付の少し手前にリマインドを兼ねてかけるほうが筋がいい。間隔は「こちらの都合」ではなく「相手の検討サイクル」に合わせる、が原則になる。

時間帯と曜日をずらすだけで繋がる確率は上がる

間隔と並んで効くのが、かける「枠」のローテーションだ。実は再架電の成否の半分は、トークではなくこのタイミング設計で決まっている。

  • 月曜午前: 週初の会議で不在になりやすい。避けるか、午後に回す
  • 火〜木: 比較的繋がりやすいゴールデンゾーン
  • 金曜午後: 早帰り・直帰が増え、不在率が上がる
  • 昼休み直後(13:00台): 戻ったばかりで電話に出やすい狙い目

受付から「何時頃お戻りですか」「午前と午後どちらがお手すきですか」を引き出せれば、当てずっぽうのローテーションが一気にピンポイントの再架電に変わる。さらに担当者名まで聞けていれば、次回は名指しでかけられる。「ご担当者様」と名指しでは受付の通し方がまるで違う。このあたりの受付対応のコツは受付突破の心理学で詳しく扱っている。

いつ撤退する? リサイクルの判断基準

かけ直すタイミングと同じくらい大事なのが、「もうかけない」を決める基準だ。繋がらない先に無限にコールし続けるのは、それ自体がリストの浪費になる。

チームで統一しておきたい撤退・リサイクルの目安はこのあたり。

  • ずっと不在: 5回かけて繋がらなければ一旦クローズし、3ヶ月後にリサイクル
  • 受付で止まる: 2回NGなら担当者名を変える、あるいは1ヶ月後に再チャレンジ
  • 担当者が明確に拒否: 半年以上空ける。短期での再架電はクレームのもと

ポイントは、この基準を個人の感覚に任せないこと。任せると「しつこくかけすぎる人」と「すぐ諦める人」に二極化して、リスト全体のコンディションが読めなくなる。誰が見ても同じ判断ができるルールにしておくのが、結局いちばん効率的だ。撤退して寝かせたリードは、数ヶ月後に状況が変わって「今ならアリ」になることも珍しくない。捨てるのではなく、循環させる発想で扱いたい。

再架電は記録がすべて

ここまでの話は、前回いつ・誰に・何をかけたかが残っていて初めて成立する。「不在」とだけメモして終わると、2回目で同じ時間にかけ、同じトークを最初からやり直すことになる。

最低限残したいのは、「日時・対応者・結果・得られた情報(戻り時間や担当者名)・次回いつかけるか」の5点。この粒度が揃っていれば、次のコールで「お戻りの時間に合わせてお電話しました」と言えて、受付のフィルターをすり抜けやすくなる。逆にここが空欄だと、何回かけても毎回ふりだしに戻る。

エクセルでも管理はできるが、件数が増えると「今日かけ直すべき先」を抽出するのが地味につらくなる。再架電予定日を入れたら自動でその日のコールリストに並ぶ——そんな仕組みがあると、かけ忘れも二重架電も減る。リストの寝かせ方とリサイクルの考え方はテレアポのリスト管理術も合わせて読んでほしい。

まとめ

再架電のタイミング設計は、突き詰めると3つに集約される。不在は時間帯をずらして5回前後まで、検討中は熱が冷めない3〜5日で、撤退基準はチームで統一する。トークを磨く前に、まずこの「いつ・何回」を整えるだけで、同じリストから取れるアポの数は変わってくる。感覚の再架電を、データに基づいた再架電に置き換えていこう。

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