介護施設への外国人材テレアポ——特定技能ビザを武器にしたアプローチ法
介護業界の人手不足は「テレアポの追い風」になる
介護業界の人手不足は深刻だ。厚労省の事業所調査でも、外国籍労働者を受け入れている介護事業所は8.6%と、前年の6.6%から2.0ポイント増加している。伸び率は鈍化しつつも、受け入れは着実に進んでいる。こうした背景から、外国人材の紹介サービスを介護施設にテレアポで提案するケースが増えている。この「8.6%」という数字は、後述のトークで「うちだけ遅れているかも」という担当者心理を刺激する材料にもなる。
ただし、「外国人材どうですか?」とストレートに言っても刺さらない。介護施設の現場には、言語や文化への不安がまだ根強く残っている。今回は、その壁をどう超えるか、実際のトークスクリプトから読み取れるテクニックを紹介していく。
受付突破:「採用の件でご連絡しました」が効く理由
介護施設へのテレアポで受付を突破するには、用件の切り出し方が決定的に重要だ。
「介護スタッフの方の正社員・正職員『採用』の件でご連絡でした」
ポイントは「採用の件で」というフレーズ。介護施設にとって採用は最優先課題のひとつだから、受付も「それは担当者に取り次がないとまずいかも」と判断しやすい。
用件を深掘りされた場合も、次のように返す。
「介護スタッフの方の『採用』の件でご連絡でして、そういったお話ですと、採用のご担当者様がいらっしゃるかと思いまして」
ここで「人材紹介です」「派遣の件で」とは言わない。あくまで**「採用の件」**という相手目線のワードで通すのがコツだ。制度やサービスの詳細は担当者につながってから話す——受付の段階では用件を最小限にとどめるのが鉄則だ。
担当者トーク:「自治体からの依頼」で権威づけ
担当者につながったら、最初の一言で差がつく。
「私共、某県や某県などの自治体から依頼を受けて、介護スタッフの雇用をお手伝いしている会社でして」
「自治体から依頼を受けて」 という一言が強烈に効く。民間の人材会社からの営業電話は毎日のように来るが、「自治体から依頼を受けている」と聞くと、信頼感が一気に増す。
続けて、ヒアリングに入る。
「ちなみに御社では外国人材は採用されていらっしゃいますか?」
この質問で相手の状況を把握し、回答に応じてトークを分岐させる。
回答別の切り返しパターン
パターン1:「外国人材を採用している」
すでに外国人を雇用している施設には、切り替えではなくプラスアルファを提案する。
「すでにお取引先があると思いますので、切り替えではなくてですね。今回、御社エリアにも進出させていただくことになりまして、一度ご挨拶に伺いたかったのですが」
「切り替え」を否定することで、既存業者を守りたい相手のガードを下げる。そのうえで「ご挨拶」という軽いオファーに落とし込む。
パターン2:「外国人材は採用していない」
未経験の施設には、特定技能ビザ2号という具体的な制度を訴求する。
「特定技能ビザ2号という、介護の知識と経験を持った方で、更新すれば期間の制限なく継続雇用できる方なのですが」
「特定技能ビザ2号」は、技能実習と違い在留期間の上限がなく(更新制)、長期雇用が可能という大きなメリットがある。これを知らない施設も多いので、情報提供としての価値が高い。
パターン3:「技能実習生がいる」
技能実習生をすでに受け入れている施設には、特定技能との違いを強調する。
「特定技能ビザ2号は、介護の経験や知識を持った方で、更新すれば期間の定めなく雇用を継続できます」
技能実習は最長5年で帰国が前提だが、特定技能2号は条件を満たせば在留期間の制限がない。「また人が入れ替わる」という技能実習の悩みを持つ施設には、この違いが刺さる。
アポ設定:「地域巡回」で訪問のハードルを下げる
このトークの特徴的なテクニックが、地域巡回を理由にした訪問アポだ。
「この度、御社エリアにも進出させていただくことになりまして、◯日と◯日にそちらのエリアを回らせていただくので、30分くらいご挨拶の時間をいただけますか?」
オンライン商談ではなく、訪問での挨拶をオファーするのがポイント。介護施設は比較的ITリテラシーが低い担当者も多く、「Zoomで30分」より「近くに来るのでご挨拶に」のほうが受け入れられやすい。
さらに「◯日と◯日にそのエリアを回っている」と伝えることで、「ついでに寄る」感を出し、わざわざ来てもらう申し訳なさを軽減している。
日程は「いつがいいですか?」と丸投げせず、2〜3択に絞って提示するのがコツだ。「8月の2日と8日と9日で近くを回るのですが」のように候補を限定する。選択肢が多すぎると相手が迷い、「ちょっと確認して折り返します」→そのまま流れる、という失注パターンにつながりやすい。
外国人材への抵抗感がある場合の切り返し
介護施設には「外国人はちょっと…」という反応もある。ここは、不安の中身を「言語」「経験」「初めての不安」の3つに分けて、それぞれ潰していくと刺さりやすい。
1. 日本語力で安心させる
「日本語がとても堪能で、日本の文化にも慣れていて、日本人と変わらないと好評いただいています」
言葉の壁への不安を最初に解く。永住権を持つ方など、日本での生活歴が長く日本語でのコミュニケーションに問題がないケースは多い。
2. 業界経験で安心させる
「御社の業界での仕事経験がある方も多いので、即戦力としてご活用いただけます」
「外国人=未経験」というイメージを崩す。介護の経験を持つ外国人材は増えており、業界経験を明示するだけで「教育コストが大変では」という懸念を払拭できる。
3. ミスマッチ防止策で安心させる
さらにプッシュが必要な場合は、一次面接代行というオプションを出す。
「外国人採用が初めてという企業様には、一次面接の代行もお受けしておりますので、ミスマッチもなくて好評いただいています」
初めての外国人採用で最も怖いのは「思っていたのと違った」というミスマッチだ。「初めてでも大丈夫」というメッセージを具体的なサービスで裏付ける形で、ここを手厚くフォローする姿勢が刺さる。
まとめ
- 受付突破:「採用の件で」という相手目線のワードで通す
- 権威づけ:「自治体からの依頼」で信頼感を構築する
- 制度訴求:特定技能ビザ2号の「期間制限なし」という具体的メリットを伝える
- アポ設定:地域巡回を理由にした訪問アポで、ハードルを下げる
- 抵抗感への対処:日本語力と業界経験を強調し、面接代行で安心感を与える
介護施設への外国人材テレアポは、相手の不安を丁寧に取り除くことがカギ。「情報提供+ご挨拶」のスタンスで、まずは会う機会を作ることに集中しよう。
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