IT業界向けテレアポのコツ|SaaS・SIer攻略法

IT業界へのテレアポは「難しい」と言われがちだ。理由は明快で、相手もITリテラシーが高いから。テンプレ感のあるトークは一瞬で見抜かれるし、そもそも「電話で営業されるのが嫌い」という人が多い業界でもある。

ただ、裏を返せば攻略法もはっきりしている。IT業界特有のカルチャーを理解して、刺さるトークを設計すれば、他の業界よりもアポの質が高くなるケースも多い。

今回は、SaaS・SIer・Web制作会社など業態別のテレアポ攻略法を見ていこう。

IT業界テレアポの前提知識

IT業界が「テレアポ嫌い」な理由

IT業界の人間は、情報収集をWebで完結させるのが当たり前。何かツールを探すなら、まずSaaSの比較サイトを見る。レビューを読む。無料トライアルを試す。そこに突然電話がかかってきて「弊社のサービスが…」と言われても、「いや、自分で調べるから」となるのは自然な反応だ。

この前提を踏まえると、IT業界へのテレアポで絶対にやってはいけないのが一方的なサービス説明。相手はすでに類似サービスを知っている可能性が高い。知らなくても自分で調べられる。

キーマンは誰か

IT企業の意思決定構造は、従来型の企業とは少し違う。

  • SaaS企業(50人以下): CTOやVPoEが決裁権を持つことが多い。エンジニアが強い組織では、現場の技術リーダーの意見が決め手になることも
  • SIer(大手): 部門長クラスが窓口。ただし案件ベースで動くため、特定のプロジェクトに紐づけた提案が有効
  • Web制作会社: 代表が直接電話に出ることも多い。20人以下の会社なら代表直通を狙うのが最短ルート

SaaS企業への攻略法

トークのポイント: 「同業界の事例」で刺す

SaaS企業の担当者は、論理的に判断する人が多い。だから「すごいんです!」みたいな感情的なトークは逆効果。

効くのは同業界の具体的な数字だ。

「同じSaaS企業のA社さんで、リード獲得コストが月30万円下がった事例があるんですが、御社でも同じような課題ってありますか?」

「30万円」という数字が入ることで具体性が増し、「同じSaaS企業」というワードで自分ごと化させる。抽象的な「業務効率化」「コスト削減」みたいなワードは、IT業界では完全にスルーされる。

受付突破のコツ

SaaS企業は受付がいないケースも多い。代表電話が共有の携帯だったり、そもそも電話番号がWebに載っていなかったりする。

攻略法は3つ:

  1. 問い合わせフォームからの「電話予告」: 「◯日にお電話します」と事前にフォームから連絡しておく。いきなりの電話より抵抗が減る
  2. LinkedIn経由: IT業界はLinkedInの利用率が高い。事前にコネクションリクエストを送っておくと、電話時に「LinkedInでお繋がりの△△です」と言える
  3. イベント・ウェビナーのフォロー: SaaS企業はウェビナーを開催していることが多い。参加した上で「先日のウェビナー拝見しました」からトークを始めると受付突破率が上がる

SIer(システムインテグレーター)への攻略法

トークのポイント: 「案件」に紐づける

SIerは案件ベースで動く。だから「御社全体の業務改善」よりも、「今動いている案件で使える」というアプローチのほうが響く。

「今、DX推進の案件を複数抱えていらっしゃる企業さんが多いんですが、御社でもそういった案件は動いていますか?」

SIerの担当者は常に複数案件を並行しているので、「今動いている案件」という切り口は自分ごと化しやすい。

注意点: 大手SIerの壁

NTTデータ、富士通、NECクラスの大手SIerは、受付突破の難易度がかなり高い。代表電話→部署→担当者と3段階のフィルターがある。

大手を狙うなら、受付突破のコツを事前に押さえておくのは必須。加えて、部署名と担当者名を事前にリサーチしておくことが成功の鍵だ。「◯◯部の△△様をお願いします」と言えるかどうかで突破率が大きく変わる。

Web制作会社への攻略法

トークのポイント: 「彼らのクライアント」の話をする

Web制作会社への営業で最も効くのは、彼らのクライアントに関連する話題だ。

「御社のクライアントさんで、Webサイト経由のリード獲得に課題を感じている企業さんって多くないですか?」

Web制作会社は自社のサービスよりも、クライアントへの提供価値に関心が高い。「御社のクライアントにも提案できる」という切り口にすると、パートナー提案として聞いてもらえることが多い。

架電タイミング

Web制作会社は比較的少人数で、朝イチ(9:00〜9:30)か夕方(17:00以降)に代表が電話に出やすい。日中はクライアントとの打ち合わせや制作作業に集中しているため、つながりにくい。

テレアポに最適な時間帯も参考にしながら、業界ごとの最適な架電タイミングを設計しよう。

IT業界共通のNG行動

1. 技術用語を間違える

IT業界の人は、技術用語の誤用に敏感だ。「御社のサースサービス」(正しくは「サース」ではなく「サーズ」)みたいなミスをすると、その瞬間に信頼がゼロになる。自信がない用語は使わない方がマシだ。

2. 長い前置き

IT業界の人は効率重視。「お忙しいところ恐れ入ります。私、◯◯株式会社の△△と申しまして、弊社は◯◯年に設立されました…」みたいな長い前置きは、10秒で切られる。

15秒以内に要件を伝えるのがIT業界テレアポの鉄則だ。

3. 「IT企業さん向けに」と言う

「IT企業さん向けにご提案しています」は、一見ターゲティングしているように見えて、実は「一斉送信メールのテレアポ版」でしかない。相手は「あ、うちじゃなくてIT企業全般にかけてるんだな」と思う。

代わりに「SaaS企業で年商◯億円規模の企業さんに」くらいまで絞ると、個別感が出る。

まとめ

IT業界へのテレアポは、相手のITリテラシーの高さと効率重視のカルチャーを理解することが出発点だ。

  • SaaS企業: 同業界の具体的な数字で刺す。受付がいないことも多いので、フォームやLinkedIn併用
  • SIer: 案件ベースの切り口で提案。大手は部署名・担当者名の事前リサーチ必須
  • Web制作会社: クライアントへの提供価値を切り口にパートナー提案として入る

IT業界のアポ率は他業界と比べてやや低い(0.3〜1.5%程度)が、取れたアポの質は高い。論理的に判断する人が多い分、商談化率・成約率は他業界より高くなる傾向がある。

量より質で勝負する業界だ。


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