法人保険の見直しテレアポ——社長に「30分だけ」と言わせるトーク術
保険のテレアポは「売る」ではなく「診る」
法人保険のテレアポは難易度が高い。社長は忙しい、保険は「間に合ってる」と言われやすい、しかも付き合いのある代理店がいる。
それでもアポが取れるチームがやっているのは、**「新しい保険を売る」のではなく「今の保険を診断する」**というポジショニングだ。
「新しく保険に入ってくださいというお願いではなくて、現在入ってらっしゃる会社の保険を一度診断させてもらいたい」
この一言があるかないかで、社長の反応はまるで違う。今回は、法人保険の見直し提案で高いアポ率を出しているチームのトーク術を見ていこう。
受付突破:社長を名指しで呼ぶ
法人保険のテレアポは、ほぼすべて社長(代表取締役)がターゲットだ。保険の最終決裁権は社長にしかない。
受付への第一声はこうなる。
「こちら港区の芝にございます、某保険プランニングの矢沢と申します。〇〇社長いらっしゃいますでしょうか?」
ポイントは3つ。
- 所在地を先に言う — 「どこの会社?」を先回りして信頼感を出す
- 社長を名前で呼ぶ — リスト情報から事前に社長名を調べておく
- 社名の前に地名を入れる — 「港区の芝の〜」で地元感・近さを演出
受付に用件を聞かれたら、ストレートに伝える。
「いまご利用の企業保険の損金と経費の件でご連絡です」
「保険の営業です」ではなく「損金と経費の件」。これだけで、受付の印象が「営業電話」から「経理に関する連絡」に変わる。
社長への初手:法改正フックが最強
社長につながったら、最初の15秒で「聞く価値がある」と思わせなければならない。ここで使うのが法改正フック。
「最近の法改正で、保険の全額経費(損金)計上ができなくなったじゃないですか。でも保険をそのままにしている会社が多いので、一度診断させてもらいたいんです」
法改正は客観的事実だ。「あなたの保険は間違っている」ではなく「法律が変わったから見直す必要がある」。社長を否定せず、外部要因のせいにできる。
さらにコスト上昇の文脈を重ねる。
「光熱費も上がって、原材料費も上がる中で、保険だけそのままというのはもったいない」
社長が日々感じているコスト増の実感に寄せることで、「確かにそうだな」という共感が生まれる。
「間に合ってる」への3段階の切り返し
法人保険テレアポで最も多い断り文句が「保険は間に合ってる」。この切り返しには段階がある。
第1段階:相手の保険会社を聞く
「今、某大手保険さんなんかでやっている感じですか?」
いきなり反論せず、まず現状を聞く。相手がどこの保険を使っているかで、切り返しの方向が変わる。
第2段階:認めてからズラす
「素晴らしい保険会社さんですね。ただ、しっかりしているぶん保険料が高くて——見直しによって保障内容は変わらずに4割くらい下がった例もあります」
相手の選択を否定しない。「素晴らしい」と認めた上で、「だからこそ高い」という逆説で攻める。「4割削減」という数字が社長の耳に残る。
第3段階:セカンドオピニオンに例える
「僕たちが申し上げているのは、病院で言うとセカンドオピニオン的なものです。一人のお医者さんでは見えない部分を、別の角度からチェックする」
保険を病院に例える。「かかりつけ医を変えろ」ではなく「念のためもう一人に診てもらう」。これなら既存の代理店との関係を壊す心配がない。
「付き合いがあるから」にはこう返す
保険には人間関係がつきもの。「長い付き合いの担当がいるから」と言われることも多い。
「確かに信頼できるお付き合い、大事ですよね。だからこそ、セカンドオピニオンとして別の角度でチェックして、今のまま行くならそれで全然いいんです」
ここでのポイントは**「選択権は社長にある」と明確にする**こと。
「そこは社長のご判断なので尊重しますから」
「こっちに切り替えてくれ」と言わない。「見るだけ見て、社長が判断すればいい」。この姿勢を崩さないことで、社長のガードが下がる。
クロージング:「30分だけ」を引き出す
保険のアポ設定では、訪問が基本(社長と直接会う必要がある)。だからこそ、ハードルを下げるフレーズが重要。
「話がぜんぜんダメだったら追い返していただいて構いません。やるまで帰らないとかは絶対ないと約束します。1度最後のチャンスとして30分だけください」
「追い返していい」「帰らないことはない」——社長の最大の不安(しつこい営業に居座られる)を先に潰す。
アポが決まったら、すかさず事前情報を取る。
「経費の計算で確認が必要なので、売上はだいたい5,000万〜1億くらいですか?」
先にざっくりの売上規模を聞いておくことで、当日の提案精度が上がる。
最後のダメ押しが秀逸。
「1週間先なのでキャンセルになると僕がめちゃくちゃ怒られてしまいます。カレンダーに書いておいてください」
笑いを取りつつ、ドタキャンを牽制する。人情に訴えるタイプの社長には効果抜群だ。
まとめ
法人保険のテレアポは「売る」テレアポではなく「診る」テレアポ。
- 社長を名指しで呼び、「損金と経費の件」で受付を突破
- 法改正×コスト上昇のダブルフックで社長の関心を引く
- 「間に合ってる」には認める→数字→セカンドオピニオンの3段階
- 「付き合いがある」には選択権を社長に渡す
- 「追い返していい」「30分だけ」でハードルを最小化
保険のテレアポで大事なのは、1回の電話で決めようとしないこと。「まずは診断」のスタンスを崩さなければ、社長は意外と30分をくれる。
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