動画マーケティング商材をテレアポで売る——大手実績と分析フックの活用法
動画制作サービスのテレアポは「刺さりにくい」と言われるが
「YouTube運用の提案です」と切り出した瞬間、「うち、興味ないんで」とガチャ切り——動画マーケティング系の商材を扱うテレアポチームなら、一度は経験があるはずだ。動画制作・チャンネル運用の提案は、相手にとって緊急度が低く見えるため、受付突破すら難しいケースが多い。
ただ、ある某動画制作会社のトークスクリプトを分解してみると、テレアポ全般に応用できるテクニックがいくつも詰まっていた。今回はそのスクリプトから抽出した7つのテクニックを、現場目線で掘り下げていく。
テクニック1:冒頭で大手実績を「さりげなく」落とす
このスクリプトでは、名乗りの直後に「某大手自動車メーカーさまや某大手カード会社さま、某大手不動産会社さまのYouTubeチャンネルを手掛けておりまして」と続ける。ポイントは、社名を3社並べている点だ。
1社だけだと「たまたまでしょ」と思われる。3社並べると「この会社、ちゃんと実績あるな」と一瞬で信頼度が上がる。業界の異なる3社を選んでいるのもうまい。自動車・金融・不動産とバラけていることで、「うちの業界でもいけるかも」と思わせる余地が生まれる。
テレアポで実績トークを使うときは、業種を散らして3社以上が鉄則。「某大手〇〇」という匿名表現でも十分に効果がある。逆に1社だけを繰り返すと、押し売り感が出るので注意したい。
テクニック2:「御社の動画を分析しました」で個別感を出す
受付を突破した後のフックとして、「御社が既に公開されている動画を拝見しまして、弊社の分析ツールで簡単に調べさせていただいたんですが」というトークがある。これが強烈に効く。
テレアポの大半は「全員に同じことを言っている」と見抜かれる。だが、「あなたの会社のことを調べました」と言われると、相手は無視しにくくなる。実際、この手法を取り入れたチームでは、担当者接続後のトーク継続率が約1.4倍に跳ね上がったというデータもある。
もちろん、全架電先を事前に詳しく調べるのは現実的ではない。だからこそ「独自の分析ツール」の存在が大きい。YouTubeチャンネルのURLを入れるだけで再生数や投稿頻度のサマリーが出る——そういった仕組みを用意しておくと、1社あたり2〜3分の事前準備で「調べました」トークが使える。
SFA上にリストと分析結果を紐づけておけば、架電時にすぐ参照できる。ここは仕組み化がモノを言う部分だ。
テクニック3:相手の状況で分岐する——内製 vs 外注
このスクリプトには、動画制作を社内でやっているか外注しているかで、トークを明確に切り替えるロジックが組み込まれていた。
- 内製の場合:「社内リソースだけだと企画がマンネリ化しませんか?」と課題を突く
- 外注の場合:「今の制作会社さんとの比較として、セカンドオピニオン的にお話しさせてください」と競合切り替えを狙う
テレアポではつい「ワンパターンのトーク」で押し通しがちだが、相手の状況に応じて2〜3パターンの分岐を持っておくと、会話の深度がまるで違う。架電前のヒアリング項目として「内製 or 外注」をリストに入れておくだけで、この分岐が自然に使えるようになる。
テクニック4:「広告は消える、YouTubeは残る」の切り返し
「今はリスティング広告で十分」と言われたときの切り返しが秀逸だった。
「広告は出稿を止めた瞬間にゼロになりますが、YouTubeチャンネルは会社の永続的な資産として残り続けます」
これは動画商材に限らず、コンテンツマーケティング全般で使えるフレームだ。**「フロー型 vs ストック型」**という対比構造は、相手の頭にスッと入りやすい。テレアポの切り返しでは、こういった「一言で刺さるフレーズ」を何本持っているかが勝負になる。
自分のチームが扱う商材でも、競合や代替手段との対比を「一言フレーズ」にまとめておくと、断り文句への反応速度が格段に上がる。
テクニック5:「15分のオンライン情報共有」でハードルを下げる
アポイント打診のフレーズが「15分ほどのオンラインでの情報共有」だった。「商談」でも「ご提案」でもなく「情報共有」。しかも「15分」という具体的な短時間を提示している。
テレアポにおけるアポ獲得率は、このクロージングの言い回しで大きく変わる。「1時間の訪問」と「15分のオンライン」では、相手の心理的ハードルが全く違う。某テレマ企業の調査では、「30分のご説明」から「15分の情報共有」に変えただけで、アポ率が約20%改善したという事例もある。
数字は具体的であればあるほどいい。「少しだけ」より「15分」、「お時間いただけたら」より「来週の火曜か水曜の午前中で」。曖昧さを排除すると、相手は判断しやすくなる。
テクニック6:分析ツールを「武器」として差別化する
スクリプト全体を通して、「独自の分析ツール」が繰り返し登場する。競合他社との差別化要因として、目に見える「ツール」を持っていることの強さは大きい。
テレアポで「弊社独自の〇〇ツールで分析した結果をお見せできます」と言えると、アポの理由づけが明確になる。相手としても「まあ、データを見るだけなら」と承諾しやすい。これは動画に限らず、Web広告の分析レポート、SEOの診断結果、業界ベンチマークデータなど、何かしらの「見せられるもの」を用意するという発想につながる。
テクニック7:価格アンカリングで「高くない」と思わせる
スクリプトの終盤で、1本あたり20万円という制作単価が提示されていた。ただし、その前に「通常の制作会社だと50万〜100万円が相場」という文脈を挟んでいる。
これは典型的なアンカリング効果だ。先に高い数字を見せておくことで、実際の価格が割安に感じられる。テレアポで価格に触れるタイミングは難しいが、「相場感を伝えてから自社の価格を出す」という順序を守るだけで、価格への抵抗感はかなり和らぐ。
まとめ:商材が変わっても、テクニックの骨格は同じ
今回は動画マーケティング商材のスクリプトを題材にしたが、抽出できたテクニックはほぼすべて他の商材にも転用できる。
- 大手実績は「3社・異業種」で並べる
- 事前リサーチで「あなただけに言っている」感を出す
- 相手の状況でトーク分岐を持つ
- 切り返しは「対比フレーズ」で一言にまとめる
- アポ打診は「短時間 + 情報共有」で軽くする
- 見せられるツールやデータを武器にする
- 価格は相場を先に出してからアンカリングする
こうしたテクニックを属人化させず、チーム全体で共有・改善していくには、トークの分岐やリスト情報をSFA上で一元管理する仕組みが欠かせない。
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