テレアポのヒアリング術|質問例とヒアリングシート設計
テレアポでアポを取れるアポインターと取れないアポインターの違い。よく「トーク力の差」と言われるが、実はヒアリング力の差であることが多い。
考えてみてほしい。テレアポで相手が「ちょっと話を聞いてみようかな」と思う瞬間は、サービスの説明が上手いときではない。自分の課題を言語化してもらえたときだ。
「あ、そうそう、まさにそれが困ってて」と相手に言わせられれば、アポはほぼ確定する。問題は、電話という限られた時間の中で、どうやってそこまで持っていくか。
今回は、テレアポで使えるヒアリング術と質問設計のテクニックを見ていこう。
テレアポのヒアリングが難しい理由
対面の商談なら30分〜1時間のヒアリング時間がある。しかしテレアポで使える時間は、長くても2〜3分。短ければ30秒で切られる。
この短い時間の中で、相手の課題を引き出し、自社サービスとの接点を見つけ、アポにつなげる必要がある。つまり、質問の精度がすべてだ。
的外れな質問をすれば「忙しいので…」で終わり。的確な質問ができれば「え、なんでうちの課題わかるの?」となる。この差は事前準備と質問設計で埋められる。
質問の3つのタイプを使い分ける
1. クローズド質問(Yes/No質問)
「今、営業リストは外部から購入されていますか?」
Yes/Noで答えられるため、相手の負担が少ない。テレアポの冒頭、まだ相手が警戒しているフェーズで使うのが効果的だ。ただし、クローズド質問ばかりだと尋問みたいになるので注意。
使いどころ: 最初の15秒、相手の状況確認
2. 限定オープン質問(選択肢付き質問)
「新規開拓で一番困っているのって、リストの質ですか、それとも架電の効率ですか?」
完全なオープン質問よりも答えやすく、かつ会話が広がる。テレアポでは、この限定オープン質問が最も使い勝手がいい。
2択か3択で提示するのがコツ。4つ以上になると電話越しでは覚えられない。
使いどころ: 課題の方向性を絞り込むとき
3. オープン質問(自由回答型)
「今の営業プロセスで、一番改善したい部分ってどのあたりですか?」
自由に答えてもらう質問。情報量は最も多いが、テレアポでは使うタイミングが難しい。相手がある程度心を開いてからでないと、「なんでそんなこと答えなきゃいけないの」となる。
使いどころ: 会話が温まってきた後半
SPIN話法をテレアポに応用する
法人営業で有名なSPIN話法。もともとは対面の長い商談向けのフレームワークだが、テレアポにも応用できる。ただし、4ステップすべてをやろうとすると時間が足りないので、SとPに絞るのがポイントだ。
S(Situation): 状況質問
相手の現状を把握する質問。ただしテレアポでは、事前にWebで調べてわかることをわざわざ聞くのはNG。「御社は何名くらいの会社ですか?」みたいなのは、Webに載っている時点で「調べてないんだな」と思われる。
テレアポ向けのS質問:
「今、新規開拓はテレアポ中心ですか、それともWeb経由が多いですか?」
Webではわからない情報を聞くのがコツだ。
P(Problem): 問題質問
相手の課題を浮き彫りにする質問。ここがテレアポのヒアリングで最も重要なパートだ。
テレアポ向けのP質問:
「営業リストを作るのに、毎月どれくらい時間かかっていますか?」 「テレアポの架電結果って、今はどうやって管理されていますか?Excelですか?」
ポイントは、相手が「面倒だな」と感じていることを言語化させること。「リスト作成に月10時間かかってます」と相手自身が言った瞬間、それは相手にとっても「解決したい課題」として認識される。
トークスクリプトの作り方にもSPIN話法の組み込み方が書かれているので、合わせて確認するとトーク全体の構成がしやすくなる。
ヒアリングシートを設計する
チームでテレアポをやるなら、ヒアリング項目を事前に決めておくのが鉄則だ。アポインターの力量に依存しない仕組みを作る。
最低限のヒアリング項目
| 項目 | 質問例 | 重要度 |
|---|---|---|
| 現状の営業手法 | 「新規開拓はどんな方法で?」 | 必須 |
| 課題感 | 「今一番困っていることは?」 | 必須 |
| 規模感 | 「営業チームは何名くらい?」 | あれば |
| 時期感 | 「いつ頃までに改善したい?」 | あれば |
| 決裁プロセス | 「導入の判断はどなたが?」 | アポ取得時 |
全部聞こうとしなくていい。テレアポでは上2つ(現状と課題)が聞ければ十分。残りは商談で深掘りする。
ヒアリングメモの残し方
ヒアリングした内容は、架電直後にメモとして残す。時間が経つと曖昧になるので、電話を切った直後の30秒で書く。
SFAに直接入力するのが理想だが、紙やスプレッドシートでも構わない。重要なのは、次のアクション(コールバック or アポ)の際に、前回のヒアリング内容がすぐに見られる状態にしておくこと。
リスト管理の鉄則で触れているように、リストとヒアリング情報を紐づけて管理できる仕組みがあると、チーム全体の営業効率が上がる。
よくあるヒアリングの失敗パターン
1. 質問攻めにする
質問が大事だと理解した結果、矢継ぎ早に質問を浴びせてしまうパターン。相手からすると取り調べを受けている気分になる。
質問は1つ聞いたら、相手の回答に必ずリアクションしてから次に進む。「なるほど、それは大変ですね」「あ、◯◯を使ってるんですね」と一言入れるだけで、会話のテンポが良くなる。
2. 自分の聞きたいことしか聞かない
ヒアリングシートの項目を埋めることが目的になってしまい、相手の話の流れを無視するパターン。相手が「実はリスト作成が…」と話し始めたのに、「ちなみに営業チームは何名ですか?」と話題を変えてしまう。
相手が話し始めた話題を深掘りするのが最優先。ヒアリングシートは補助ツールであって、台本ではない。
3. 聞くだけ聞いて何も返さない
ヒアリングした結果、何の価値提供もしないパターン。「御社の課題はわかりました。では商談の日程を…」だと、相手は「情報だけ抜かれた」と感じる。
ヒアリングの後には、課題に対する小さなヒントを1つ返す。「同じ課題を持っていた企業さんが◯◯で解決したケースがあるんですが…」みたいに、Give & Takeの関係を意識する。
まとめ
テレアポのヒアリング術は、短い時間の中で的確な質問を的確なタイミングで投げる技術だ。
- 3つの質問タイプを使い分ける(クローズド→限定オープン→オープン)
- SPIN話法のS・Pに絞ってテレアポに応用する
- ヒアリングシートで属人化を防ぐ
- 質問攻め・一方的なヒアリングにならないよう注意
テレアポのゴールはアポを取ることだが、質の高いアポを取るためにはヒアリングが不可欠だ。「アポは取れたけど商談で全然刺さらなかった」という事態は、ヒアリング不足が原因であることが多い。
アポ率1〜3%の世界で、取れたアポの商談化率まで意識できるチームは強い。
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