税理士・士業経由で顧問先にアプローチするテレアポ術
直接架電だけがテレアポではない
テレアポといえば「ターゲット企業に直接電話する」のが基本だ。しかし、業種によっては直接架電よりも効果的なルートがある。それが「士業経由アプローチ」——税理士・社労士・弁護士など、ターゲット企業の顧問先を通じて間接的にリーチする手法だ。
特に中小企業向けの提案では、経営者が最も信頼しているのは顧問税理士であることが多い。税理士から「こういう話が来てるけど、検討してみたら?」と一言あるだけで、商談化率が跳ね上がる。
士業経由アプローチの基本構造
この手法の流れはシンプルだ。
- 税理士事務所にテレアポする
- 「顧問先の課題解決になる商材がある」と伝える
- 税理士に紹介してもらう or 税理士同席で商談する
つまり、テレアポ先はエンドユーザーではなく「紹介者」になる。営業先が税理士なので、受付突破の難易度もぐっと下がる(税理士事務所は少人数のところが多く、先生が直接電話に出ることも珍しくない)。
「先生」呼びと業界トリガーの活用
敬称は「先生」で統一する
税理士へのテレアポでは「○○先生」と呼ぶのが基本だ。「○○様」でも間違いではないが、士業は「先生」と呼ばれることに慣れているし、この呼び方のほうが心理的な距離が縮まりやすい。
業界トリガーを冒頭に持ってくる
ある運送会社向けリースバックのテレアポでは、こんなトークが使われていた。
「2024年問題もあってですね、○○県内の運送会社様で資金繰りのお問い合わせが非常に増えておりまして」
この「2024年問題」のような業界トリガー(法改正・規制変更・市場変化)を冒頭に持ってくると、税理士の関心を一気に引ける。税理士は顧問先の経営課題に敏感だからだ。
業界トリガーの例をいくつか挙げると:
- 物流業界: 2024年問題(ドライバーの残業規制)
- 飲食業界: 最低賃金の引き上げ、インボイス制度
- 製造業: 原材料費の高騰、脱炭素対応
- IT業界: 電子帳簿保存法、セキュリティ規制
これらを冒頭で出せるかどうかで、税理士の反応が180度変わる。
「顧問先の課題解決」として提案する
税理士に商材を紹介する際、絶対にやってはいけないのが「先生に売り込む」姿勢だ。税理士自身がリースバックや電力切り替えをするわけではない。
正しいフレーミングはこうだ。
「先生の顧問先様の課題解決の一つとして、30分でご案内だけさせていただきたい」
この「顧問先様の課題解決」という言葉が重要だ。税理士にとっては「自分の顧問先に付加価値を提供できる情報」と認識してもらえる。実際、優秀な税理士ほど顧問先への情報提供に積極的だ。
ヒアリングで「顧問先に運送会社はありますか?」
税理士経由アプローチでは、最初のヒアリングで「先生の顧問先に○○業の企業はおありですか?」と聞くのがセオリーだ。
- 「ある」→ 具体的な提案に進む
- 「ない」→ 丁寧にクロージング。無理に別業種に広げない
このヒアリングを入れることで、税理士にとって「自分に関係ある話かどうか」が早い段階でわかる。関係ない話を長々聞かされるストレスがなくなり、好印象につながる。
新電力の提携アプローチも同じ構造
士業経由だけでなく、異業種の営業会社に「提携商材として新電力を扱いませんか?」と提案するパターンも同じ構造だ。
ある新電力のテレアポでは「御社の新規のお客様の課題解決のための一つの商材として」と切り出していた。相手の会社が既に抱えている顧客に対して、追加の提案ネタとして電力を売ってもらう。いわば「代理店開拓」のテレアポだ。
この場合も、相手に直接売るのではなく「相手の顧客へのサービス向上」として提案するのがポイントになる。
まとめ
税理士・士業経由のテレアポは、直接架電とはまったく違うゲームだ。ターゲットリストの作り方、トークの設計、クロージングの仕方——すべてが「紹介者」向けに最適化される。1日100件架電して5件アポが取れる直接架電より、1日30件で同じだけアポが取れるなら、チーム全体の効率は大きく変わる。
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